ジョージアの伝統料理「シュクメルリ」
2024年11月6日放送のNHKの人気番組【あさイチ】の「みんな!ゴハンだよ」では、料理研究家の荻野恭子さんが「鶏とにんにくクリーム煮 シュクメルリ」の作り方を紹介しました。ジョージア料理の中でも家庭料理として親しまれているシュクメルリは、鶏肉とにんにく、クリームが織りなす濃厚で深い味わいが魅力です。特に冬にぴったりのこのレシピは、にんにくの効いたクリーミーなソースが鶏肉に絡み、温かく贅沢なひとときを提供してくれます。
ジョージアの伝統料理の美味しさを再現し、手軽に手に入るカレー粉やパプリカパウダーで、エスニックな風味をお楽しみください!
【あさイチ】菰田欣也さん直伝!家庭で本格「チンジャオロースー」|2024年10月30日放送
■ シュクメルリとは?本場ジョージア料理の魅力
シュクメルリとは
シュクメルリ(Shkmeruli)は、ジョージアのカヘティ地方に伝わる伝統的な鶏肉料理で、にんにくの効いたクリームソースで鶏肉を煮込む一品です。ジョージアの郷土料理の一つで、家庭料理としても親しまれています。その特徴はたっぷりのにんにくを効かせたクリーミーなソース。にんにくの芳醇な香りが口いっぱいに広がり、コクのあるクリームが鶏肉にしっかりと絡みます。
荻野恭子さんのレシピの特徴
荻野さんのレシピは、日本でも家庭で再現しやすいよう工夫されています。たとえば、スパイスには本場のスパイスの代わりにカレー粉やパプリカパウダーを使用。これによりエスニックな風味を手軽に味わえ、日本のスーパーで揃う材料でも本場に近い味わいが再現できます。
■ 鶏とにんにくクリーム煮 シュクメルリの材料 (2人分)
主な材料
- 鶏もも肉:1枚
- ポイント:脂身が適度にあり、クリーミーなソースがしっかり絡みます。鶏胸肉でも代用できますが、もも肉の方が柔らかく仕上がります。
- 塩:少々
- ポイント:下味に使用します。塩をふることで鶏肉の旨味が引き出され、全体の味が引き締まります。
- オリーブ油:小さじ1
- バター:小さじ1
- ポイント:オリーブ油とバターの組み合わせで、豊かな風味が楽しめます。バターだけにすると風味が強く、オリーブ油を合わせることで、香ばしくさっぱりとした仕上がりになります。
Aの材料(ソース)
- にんにく(粗みじん切り):3かけ
- ポイント:にんにくは粗めに刻むことで、香りが立ち、クリームと相性の良い風味が広がります。
- 水:カップ1/2
- ポイント:煮立たせる際に使用し、全体が均一に混ざるよう調整します。
- カレー粉:少々
- ポイント:カレー粉の風味がエスニックさを引き立て、本場の味わいに近づけます。量を調整することで、辛さや風味の強さを好みに合わせられます。
- パプリカパウダー:少々
- ポイント:色味がつき、視覚的にも食欲をそそります。
- 黒こしょう(粗びき):少々
- ポイント:粗びきの黒こしょうは、仕上がりにピリッとしたアクセントを加えます。
- 生クリーム:カップ1
- ポイント:全体のクリーミーさを左右する主役の材料。植物性よりも動物性を使うと、より濃厚な仕上がりに。
- 塩:小さじ1/3
- ポイント:全体の味を調えます。
仕上げ
- イタリアンパセリ(生、みじん切り):1枝
- ポイント:彩りを添えるためのトッピングで、香りのアクセントにもなります。
- くるみ:30g(煎って砕く)
- ポイント:食感と香ばしさを追加するトッピング。くるみの風味がクリーミーなソースと相性抜群です。
- ご飯(温かいもの):300g
- ポイント:この料理のソースがご飯とよく絡み、相性抜群です。温かいご飯で提供することで、ソースが冷めにくく、最後まで温かく楽しめます。
■ 作り方
1. 鶏もも肉の下ごしらえ
- 鶏もも肉を約8等分に切り、塩を少々ふって下味をつけます。
- ポイント:小さめに切ることで、クリームソースとよく馴染み、味が染み込みやすくなります。
2. 鶏肉を焼く
- フライパンにオリーブ油とバターを中火で熱し、鶏肉の皮を下にして並べて焼きます。焼き色がついたら上下を返し、両面をこんがりと焼きます。
- ポイント:皮目がパリッと焼き上がることで香ばしさが増し、クリーミーなソースと絶妙にマッチします。
3. にんにくクリームソースを作る
- 別のフライパンに、にんにく、カレー粉、パプリカパウダー、黒こしょうを入れ、中火で熱します。にんにくが香り立ち、カレー粉とパプリカパウダーが全体に馴染むまで軽く炒めます。
- ポイント:ここで香りを引き出すことが、全体の味わいを左右します。にんにくは焦がさないように注意してください。
4. クリームを加えて煮込む
- 水を加え、煮立たせたら生クリームと塩を加え、とろみがつくまで煮ます。この工程でにんにくの香りがクリームに溶け込み、濃厚で風味豊かなソースが出来上がります。
- ポイント:クリームを加えるときに一気に沸騰させないことで、滑らかな口当たりを保てます。
5. 鶏肉とソースを合わせる
- 焼いた鶏肉をソースの入ったフライパンに戻し、全体にソースがよく絡むように混ぜ合わせます。
- ポイント:鶏肉にソースがよく絡むよう、焦らず丁寧に混ぜるのが美味しく仕上げるコツです。
6. くるみ入りご飯と盛り付け
- 砕いたくるみをご飯に混ぜて器に盛ります。くるみの香ばしさとソースが絶妙にマッチし、食感にも変化が加わります。
- ポイント:温かいご飯にくるみを混ぜることで、香ばしい香りが一層引き立ちます。
- 器に鶏肉とソースを注ぎ、イタリアンパセリを散らして彩りよく仕上げます。
■ おいしく作るためのポイント
鶏肉の焼き加減
皮目をしっかり焼きつけることで、香ばしさが増し、クリームソースとの相性も良くなります。皮目がカリッとするまでしっかり焼くと、食感のコントラストが楽しめます。
にんにくの香りを引き立たせる
にんにくは、加熱しすぎると焦げて苦みが出るため、じっくりと香りを引き出すことが重要です。最初に香りを立たせてから他の材料を加えると、クリームとの一体感が深まり、よりおいしく仕上がります。
くるみのアクセント
砕いたくるみは、噛むごとに香ばしさが広がり、食感のアクセントにもなります。シュクメルリのまろやかさに、くるみの風味が絶妙に溶け合い、最後まで飽きの来ない味わいを楽しめます。
■ こんなシーンで楽しみたい!シュクメルリのおすすめの食べ方
冬のあったかメニューとして
寒い季節にぴったりのシュクメルリは、にんにくとクリームの温かさで体も心も温まります。家族での食事や友人を招いた際のメインディッシュとして、リッチな味わいを楽しめる一品です。
おもてなし料理にも最適
エスニックな風味とクリーミーなソースが、日本人にも親しみやすい味わいなので、特別な日のテーブルに並べても喜ばれること間違いありません。ワインやビールなどとも相性がよいので、お酒を楽しむシーンでもぜひ活用してみてください。
荻野恭子さんについて:日本の食卓に世界の味を届ける料理研究家
料理研究家・荻野恭子のプロフィール
荻野恭子さんは、東京都出身の料理研究家であり、栄養士としても長年の経験を持つ人物です。女子栄養短期大学で学び、卒業後は和食、洋食、中華、さらにはエスニック料理まで幅広く学んでいます。その後、料理の技術と知識を深めるために、アジア、中東、ヨーロッパ、アフリカなど世界中を旅し、各地の家庭料理の調理法や文化を研究しました。荻野さんは、これらの経験を活かし、日本の家庭に向けて多彩な料理を紹介し続けています。
荻野恭子さんの活動とメディアへの露出
荻野さんは現在、料理教室を主宰し、講演会やメディア出演など幅広い活動を展開しています。彼女の料理教室では、参加者に各国の食文化や家庭料理の魅力を伝え、調理だけでなく、その背景にある文化も学ぶことができると評判です。2009年には「ミュージカル・ベストテン」で特別賞を受賞し、料理界でも多くのメディアから高く評価されています。
直近の著書「60歳からのおいしい完全食」
荻野恭子さんの最新の著書「60歳からのおいしい完全食」では、シニア世代に向けて栄養バランスを考えたレシピを提案しています。ひと皿で必要な栄養素を簡単に摂取できるように工夫されたメニューは、特に食が細くなりがちなシニア世代にとって理想的な内容です。使用する食材は5つのみ、短時間で手軽に作れるため、健康を気遣う方々からも支持されています。
荻野恭子さんの著書「60歳からのおいしい完全食」と健康へのこだわり
シニア向けレシピが充実した「60歳からのおいしい完全食」
荻野さんの最新著書「60歳からのおいしい完全食」は、シニア世代が無理なく栄養を摂取できるレシピ集として話題です。特に、食べる量が減りがちな年代のために考案された「ひと皿で栄養が摂れる」メニューが多く掲載されています。栄養バランスの取れた内容と、簡単で手軽に作れるレシピが、読者から支持されています。
- 使用する食材は5つのみ:多くの食材を揃える手間を省き、少ない材料でも栄養豊富なメニューを実現しています。
- 短時間で作れる:忙しい日や体力が落ちてきた方でも気軽に調理できるレシピが多く、日常の食事作りにぴったりです。
- 心と体を満たす満足感:シンプルながらも味わい深いメニューが多く、食べる喜びが広がります。
シニア世代の健康と栄養に対する荻野さんのこだわり
この本では、年齢に合わせた栄養バランスが考えられており、特にカルシウムやたんぱく質、ビタミン類の摂取に重きを置いています。年齢を重ねても美味しく健康を維持できる食事は、多くのシニア世代にとって大きなサポートとなります。また、こうした考え方はシニアだけでなく、家族全体の健康管理にも役立ちます。
■ まとめ
ジョージア料理の「鶏とにんにくクリーム煮 シュクメルリ」は、にんにくとクリームが織りなす濃厚でリッチな味わいが魅力の一品です。荻野恭子さんのレシピは、身近な材料で簡単に作れるよう工夫されており、日本の食卓にも取り入れやすい内容となっています。家庭で気軽に再現し、本場ジョージアの風味を感じながら、家族や友人と一緒に楽しんでみてください。
コメント