はじめに
家庭でも作れる本格的な「もつ煮込み」は、時間をかけた丁寧な下処理と煮込みが美味しさの決め手です。笠原将弘シェフが教えるレシピは、シンプルながらもプロの技が詰まっています。一つ一つの工程を丁寧にこなせば、濃厚で味わい深い一皿が完成します。ご飯もお酒も無限に進む極上の味わいを、ぜひ家庭で再現してみてください。
材料と下ごしらえ
材料(5〜6人分)
- 豚白もつ(ボイル済み):500g
- 玉ねぎ:1個
- 生姜:10g
- 大根:300g
- にんじん:1/2本
- ごぼう:1本
- こんにゃく:1枚
- 長ねぎ:1/4本
- 七味唐辛子:少々
- 【A】
- だし:1200cc
- 酒:200cc
- 【B】
- 砂糖:大さじ2
- 醤油:大さじ3
- みりん:大さじ2
- 味噌:150g
下ごしらえのポイント
- 豚白もつはしっかり茹でて臭みを取り、丁寧に水洗いすることで、臭みのない滑らかな仕上がりに。
- 玉ねぎや生姜は細かく刻んで香りを引き立てる。
- 大根やにんじん、ごぼうなどの根菜は均一に切り、火の通りを揃える。
- 長ねぎは小口切りにして水に浸すことで辛味を和らげ、トッピングとして彩りを加える。
作り方の手順
- もつの下茹で(1回目)
鍋にもつを入れ、ひたひたの水を注ぐ。強火にかけて沸騰したら中火にし、30分ほど茹でる。茹で上がったらザルに上げ、水で揉み洗いして余分な脂や汚れを落とす。長ければ一口大に切る。 - もつの下茹で(2回目)
再び鍋にもつを戻し、同じようにひたひたの水を加えて強火にかける。沸騰後、中火でさらに30分茹でる。この工程で臭みを完全に取り除く。 - 根菜とこんにゃくの準備
大根とにんじんは5mm幅のいちょう切り、ごぼうは斜め薄切りにする。こんにゃくは5mm幅の一口大に切る。これらを水から茹でて火を通し、10分茹でたらザルに上げて水気を切る。 - 煮込みの開始
下茹でしたもつを鍋に戻し、【A】のだしと酒を加える。玉ねぎの薄切り、生姜のみじん切りも投入し、強火で沸騰させる。その後、弱火にして20分ほど煮込む。 - 味付けと仕上げ
煮汁が減ってきたら水を適宜追加し、下茹でした根菜とこんにゃく、【B】の調味料を加える。弱火で30分じっくり煮込み、全体に味が染み込むようにする。 - 最終調整と盛り付け
アクを丁寧に取り除き、味見をして必要に応じて醤油や味噌を少量追加する。器に盛り付け、小口切りの長ねぎを散らし、お好みで七味唐辛子をふる。
美味しく仕上げるポイント
- もつの下処理は念入りに行い、臭みを完全に取り除く。
- 煮込み中は焦げ付かないように火加減を調整し、アクをしっかり取る。
- 調味料を加えるタイミングは弱火にしてから。これにより、味が均一に馴染む。
- 根菜類は下茹でしておくとアク抜きができ、煮込み時間も短縮できる。
もつ煮込みと相性抜群のサイドメニュー&飲み物の提案

もつ煮込みをさらに美味しく楽しむためには、相性の良いサイドメニューや飲み物を一緒に用意するのがおすすめです。居酒屋の雰囲気を自宅で再現しながら、食卓を賑やかに彩りましょう。
サイドメニューアイデア
- ネギ塩冷奴
シンプルな冷奴に、小口切りにしたネギをたっぷりのせ、塩とごま油を絡めたネギ塩ダレをかけるだけの簡単レシピ。さっぱりとした味わいがもつ煮込みの濃厚な味付けを引き立てます。 - ピリ辛きゅうり
きゅうりを叩いて食べやすい大きさに切り、豆板醤やラー油、醤油で和えるだけのスピードメニュー。ピリ辛の風味がもつ煮込みとの相性抜群で、箸休めにも最適です。 - 出汁巻き卵
出汁を効かせたふんわり卵焼きは、もつ煮込みのコクを包み込むような優しい味わい。居酒屋の定番として、もつ煮込みとのセットで楽しむのもおすすめです。 - おにぎり(味噌焼きおにぎり)
おにぎりに味噌を塗って香ばしく焼き上げた味噌焼きおにぎりは、もつ煮込みのスープとの相性が抜群。スープをかけて雑炊風にアレンジして楽しむのも良いでしょう。
相性の良い飲み物
- 日本酒(熱燗または冷や)
もつ煮込みの濃厚な味には、芳醇な旨味を持つ日本酒がよく合います。寒い時期には熱燗、暑い時期には冷やを選んで、季節感を楽しみましょう。 - ビール(生ビールまたはクラフトビール)
キリッと冷えたビールは、もつ煮込みのこってり感をさっぱりと流してくれる最高の相棒。特にホップが香るクラフトビールは、新しい味わいの発見にもつながります。 - ハイボール
ウィスキーをソーダで割ったハイボールは、もつ煮込みの脂っぽさを中和してくれる爽快な飲み物です。レモンを添えると、さらにスッキリとした味わいに。 - ウーロン茶(ノンアルコール派におすすめ)
ノンアルコールで楽しみたい方には、さっぱりしたウーロン茶がぴったり。脂っこさを抑えつつ、食事をしっかり楽しめます。
もつ煮込みにこれらのメニューや飲み物を合わせれば、居酒屋で過ごすような特別な時間を自宅で楽しむことができます。手軽なアイデアを組み合わせて、ぜひ試してみてください。
家庭で作るもつ煮込みは、丁寧な下処理と煮込みで、プロの味わいを実現できます。煮込むほどに深い味わいが楽しめるので、ぜひチャレンジしてみてください。
笠原将弘の最新著書『賛否両論 味の世界』
(画像元:KADOKAWA)
笠原将弘氏の最新著書『賛否両論 味の世界』は、2024年10月2日にKADOKAWAから出版されました。本書は、日本料理店「賛否両論」の開店20周年を記念して制作され、料理愛好家や家庭の食卓を豊かにしたい方々に向けて、多彩な内容が盛り込まれています。
- 季節ごとの料理レシピ
春夏秋冬の四季を感じさせるレシピが掲載されており、八寸や揚げ物、蒸し物、甘味など、幅広いジャンルが網羅されています。特に、日本料理の奥深さを象徴する八寸(先付けや小鉢)の繊細な盛り付けや味付けが詳細に解説されており、プロの技術が学べる内容となっています。 - 「たれ」や「変わり醤油」の解説
料理の味を決定づける「たれ」や「変わり醤油」のレシピも収録されており、家庭で「賛否両論」の味を再現できる点が大きな魅力です。これらの調味料は、日常の料理に取り入れるだけで、家庭の食卓をワンランクアップさせることができます。 - 味に関するエッセイ
笠原氏の料理哲学や、食材へのこだわり、店の歴史にまつわるエピソードがエッセイとして収録されています。料理だけでなく、その背景や想いを知ることで、より深い理解と共感を得られる構成になっています。
読者の口コミでは、「プロの技術がわかりやすく説明されているため、自分でも挑戦できそう」「家庭料理に応用できるアイデアが豊富」といった声が寄せられています。特に、店でしか味わえなかったメニューを自宅で作れる喜びが高く評価されています。
また、この本は初心者でも取り組みやすい内容が工夫されており、難易度が高い料理もステップごとに丁寧に解説されています。さらに、プロの調理テクニックが要所で紹介されているため、料理を深く学びたい方にとっても実用的な一冊となっています。
家庭で「賛否両論」の世界観を存分に楽しめる『賛否両論 味の世界』は、料理の幅を広げたい方々にとって必携の書籍です。プロの技術と家庭での実践が融合した、唯一無二の魅力をぜひ手に取って体感してみてください。
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