鹿児島の老舗鰹節屋に密着!“黄金の鰹節”を生む伝統製法の魅力
お正月料理には欠かせない“かつお節”。特に高級品として知られる「本枯節(ほんがれぶし)」は、日本の食文化を象徴する伝統的な食品です。「朝メシまで。お正月SP」では、鹿児島県の老舗鰹節屋に密着し、伝統製法で作られる高級鰹節の裏側に迫ります。その製造過程には、熟練の職人たちによる深夜作業が欠かせない重要な要素となっています。
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「日本一のかつおのまち」鹿児島県枕崎市「日本一のかつおのまち」として知られる、鹿児島県枕崎市。 水揚げされるカツオをはじめ、新鮮な魚介類が豊富な港町です。 日本で生産されているかつお節のおよそ50%は、枕崎産だとご存じでしょうか。 その品質の高さは料理人や食のプロたちから信頼され、全国各地で取引きされています。2021/09/21
■ 鹿児島と鰹節の関係
日本有数の鰹節生産地・鹿児島
鹿児島県は、日本における鰹節の一大生産地として名高い存在です。中でも指宿市や枕崎市は、その中心地として広く知られています。この地域は、太平洋に面した豊かな水産資源を背景に、古くから漁業が盛んに行われてきました。また、温暖な気候が特徴で、鰹節作りに最適な条件が整っています。この気候は、カビ付けや天日干しといった工程を効率的に進めるのに役立ち、質の高い鰹節の生産を可能にしています。
鹿児島で作られる鰹節の中でも、特に「本枯節(ほんがれぶし)」は、その卓越した品質から「黄金の鰹節」とも呼ばれています。国内だけでなく海外でも評価が高く、プロの料理人たちからも厚い支持を受けています。
本枯節の特徴と価値
本枯節は、香り高く濃厚な旨味が特徴で、一般的な削り節とは一線を画す存在です。その製造には、手間と時間がかかるため高価ではありますが、その分料理全体の味を引き立てる力があります。特に和食の世界では欠かせない存在であり、出汁やかけ節として多岐にわたる料理に使用されています。例えば、吸い物や煮物、麺類のつゆなどでは、本枯節を使用することで味に深みが加わり、素材本来の風味を引き出します。
■ 高級鰹節ができるまで
焙乾(ばいかん)の工程
本枯節の製造工程の第一段階が「焙乾」です。この工程では、鰹を樫の木で燻すことで水分を取り除き、独特の香りを加えます。焙乾の際に使用される樫の木は、安定した火力を保つことができ、鰹の内部までじっくりと熱を通すことが可能です。焙乾は、約1ヶ月以上かけて何度も繰り返され、その都度、熟練の職人が鰹の状態を目視で確認し、火加減を調整します。この工程が、鰹節の基礎的な品質を決定づける重要なステップとなります。
カビ付けと天日干し
焙乾を終えた鰹節は、次に「カビ付け」と呼ばれる工程に進みます。この工程では、鰹節の表面にカビを付け、発酵を促進します。カビ付けにより、鰹節の余分な水分がさらに取り除かれるとともに、旨味成分が凝縮されます。また、この工程は天日干しと組み合わせて行われ、日光による自然乾燥が鰹節の風味を深めます。このプロセスを何度も繰り返し、最終的に6ヶ月以上の熟成期間を経て完成します。熟成中には、温度や湿度を綿密に管理し、カビの状態を適切に保つことが求められます。
■ 深夜作業が果たす重要な役割
夜間における徹底した管理
鰹節作りは昼夜を問わず行われますが、特に深夜の作業は重要です。夜間は気温や湿度が低下するため、焙乾炉や発酵環境の維持が困難になる一方で、作業効率が向上する条件でもあります。職人たちは深夜にわたり焙乾炉を管理し、火力や煙の量を調整することで、鰹節の最適な乾燥状態を保っています。
職人たちの努力とこだわり
深夜作業は、熟練した職人の技術と忍耐が試される過酷な工程です。一つ一つの鰹節の状態を細かくチェックしながら作業を進めることで、製品の均一な品質が保たれます。このような努力の積み重ねが、香り豊かで旨味の凝縮された本枯節を生み出す原動力となっています。
■ 鹿児島の老舗鰹節屋の取り組み
伝統と革新の融合
鹿児島の老舗鰹節屋では、長年受け継がれてきた伝統的な製法を守りながらも、最新の技術を取り入れることで品質の向上を図っています。例えば、温度や湿度の管理にはデジタルセンサーを導入し、効率的かつ正確な環境制御を実現しています。一方で、焙乾やカビ付けといった工程では、職人の経験と感覚が欠かせません。こうした「伝統と革新の融合」により、最高品質の鰹節が安定的に生産されています。
地域との連携
質の高い鰹を確保するため、地元の漁業者との連携が重要な役割を果たしています。鹿児島近海で水揚げされた新鮮な鰹を使用することで、本枯節の風味と品質が維持されています。また、地域の特産品として鰹節のブランド化を進める取り組みも行われており、地元経済への貢献にもつながっています。このように、地域密着型の生産体制が高品質な鰹節を支える土台となっています。
■ まとめ
鹿児島の老舗鰹節屋では、伝統的な製法と深夜作業に至るまでの細やかな管理によって、「黄金の鰹節」とも称される本枯節が生み出されています。熟練の職人たちが手間暇を惜しまず作り上げるこの逸品は、日本の食文化の象徴であり、世界にも誇れる存在です。お正月料理や日々の食卓に、この極上の旨味を感じてみてはいかがでしょうか。
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